03/27の日記
16:50
空に告ぐ
---------------
霞がかった青の空を見上げながら、少女は風に吹かれる髪の毛を片手で抑えた。
1つの大きな区切りがついた。全てが終わった。
彼は…居なくなった。
「…あ」
強く吹く春の風に乗って、どこからか舞ってきた花びら。
幻想に飲み込まれそうになりながら、彼を思い出す
。
「さようなら」
7年後
少女はまた青い空を見上げていた。
セーラー服のリボンとプリーツの裾が風に揺られてふわり、ひらりと動きをつけている。
成長し見た目は変わっているけれど、その髪や瞳は変わらない。
咲き誇る桜が舞い散っている。
「哀ちゃーん!おまたせ!」
親友の歩美が駆け寄ってきた。部活動等頑張ってきた彼女の腕の中には沢山の花束があった。
二人でとりとめのない話をしながら校門までいくと、幼馴染みであり親友の二人である元太と光彦が、スーツ姿の青年と共に哀達を待っていた。
「灰原!歩美ちゃん!卒業おめでとう」
「ありがとう、新一お兄さん!わざわざ来てくれたの?」
「暇なのね、あなた」
其々真逆の反応に苦笑いしながら、元同級生の四人の成長を嬉しく思う。
「写真撮ってやるから並んで」
上空に強く風か吹いてザッと木々が揺れ、皆が写真に写る頃桜吹雪が5人に降り注いでいた。
前へ|次へ
□ コメントを書く
□ 日記を書き直す
□ この日記を削除
[戻る]