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□結婚理由
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「まぁまぁイルミ! その子に決めたのかしら!?」
室内に入るなりキキョウに見つかる。周りの者達の注目が集まる。
「はじめまして、キキョウ様。ナマエ=ミョウジと申します」
「あら、あなたがミョウジのお嬢さんなのね! いつもお世話になってるわ」
「こちらこそありがとうございます」
「貴女、本当に凄腕なのね」
「そんな、恐縮です」
、
話が読めない。
「どういうこと?」
思わず声に出すと、キキョウがパッと振り向く。
「あなたは自分の武器を作った人も把握してないの?」
「え」
驚いた。ナマエはその反応に満足そうだ。嘘だろ、こんな女が作った武器を愛用していたなんて。
「ごめんなさいね」
「いえ。イルミ様のお役に立っているのなら、それだけで充分です」
「技術者としての器量、美しい容姿、女性らしい気遣い……貴女ならイルミにピッタリだわ!」
キキョウの嬉しそうな声。