妄想天使
□妄想天使参上!
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気配もなく“それ”は現れた。
天使か?
クロロがそう思うのも無理はない。空に浮かぶ少女は神々しく、纏うオーラも普通ではない。
しかし少女の背に翼はない。なにも言わず、彫刻のように整った顔に微笑みを浮かべながらクロロを見下ろしている。
「誰だ」
少女の顔が一変した。
「…………っ!」
何やら焦っている。キョロキョロと辺りを見渡し、そしてバランスを崩した。鬼気迫る表情だ。
「っいやああぁぁあ!!?」
突然のことに一瞬戸惑いを見せるクロロ。さすがというべきか、すぐに頭を切り換える。
どうやら少女は落ちてきているようである。
クロロはオーラを纏い受け止める準備にかかった。
少女は物凄いスピードで落ちてくる。大きな叫び声を上げている。
「っあああ!! なんでいきなり死にかけてるのおぉぉ!!」
ポスッ
思ったよりもずっと軽い衝撃で、少女はクロロに受け止められた。
「……何だ、お前」
少女は真っ青な顔をクロロに向け、そして意識を手放した。
妄想天使参上!