妄想天使

□妄想天使とフィンクス先生
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「やあっ! とうっ!」

「全然駄目だな。才能無いわお前」


結構本気でフィンクスに殴りにかかるが、全て左手で止められる。息が上がってしんどい。疲れた。
原っぱの上で膝をつく。ああ風が気持ちいいなあ。


「はあっ、疲れた……」

「マジかよ? テメーの体力は糞だな」

「もう今日はやめようよ。……と見せかけて!!」

「遅い」


油断させて殴っちゃえ、という作戦はあっさり撃沈。


「みんなの足を引っ張りたくないんだっけか?」

「そうだよ」

「だったら防御だけ出来るようになっとけばいいんじゃねぇの」

「……ああ、そうだねぇ。みんな強いし、私は私だけ守っておけば足を引っ張ることはないのか」

「そうそう。てことで、オレから攻撃させてもらうぜ」

「ちょっと待…ぐはっ!」


いきなり鳩尾。なんの準備もしてなかった私はもろに攻撃を受け、その場に倒れる。


「ぅ、くう……っ!」

「マジかよ……おい、大丈夫か?」

本気で驚いているみたいだ。フィンクスって人の心配できたんだね!


「いきなりはひどいよ」
「気配も消してなかったしゆっくり軽めにしてやっただろうが!」

「は!? あれが軽め!?」

「ていうかテメーも硬くらいしろよ!」

「あ。あの、実はねフィンクス……」

「んだよ急に歯切れわりぃな」

「……できない」

「何が」

「……硬」

「……え」

「私、発しか出来ない」

「……マジ?」

「マジです」

「順番可笑しいだろ」

「おっしゃる通りです」

「まずは基礎からやるべきだったな」

「はい」
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