愛とは
□二日目
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昨日は早めの解散だった。
与えすぎてはダメなのだ。もっとしたい、もっと居たい......そう思わせることが長く付き合い、上手く使っていくコツだ。
手を伸ばせば届きそう、という距離がポイント。もちろん届きはしないが。
ユーリは一つに纏めた髪を指でいじった。片手では携帯を操作し、営業のメールに励む。そして長い両足はリズム良く音を鳴らし、前に進んでいる。
今日はヒソカと遊園地である。恋人らしいデートといえば、やはり定番の遊園地だろう。
観覧車は苦手だった。キスをせがんでくる客も多い。最もユーリが普通のデートをすること自体珍しいのだが、得意先となれば話は別だ。だからこそ気を悪くさせないように断るのがしんどい。
「やあ☆」
「早いね。まだ15分前だよ」
「女を待つのが男の基本さ」
ヒソカは優しい。それゆえに怖い。忘れてはいけない、彼は人を平気で殺せるのだ。
「じゃ、行こうか?」
「うん」