愛とは
□探してる
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とりあえず家に来なよ。
とヒソカに招かれ、ユーリは頷く。着いたのはこの辺では有名な高級マンション。
「ヒソカって本当にお金持ちなんだね」
エレベーターの中でユーリが言った。
「だから言ってるだろ。さ、もう
着くよ◇」
到着を知らせる音が鳴る。眺めは絶景。
しばらく歩き、ヒソカは立ち止まる。最上階の角部屋だ。カードをかざすと、カチッという音がして扉が開く。
「どうぞ☆」
「お邪魔します」
広い玄関。大きな靴箱に全て閉まっているのか、靴は一足も無い。絨毯はふわふわしていて、手入れが大変そうである。家具数は少ないが、どれもセンス良く配置されている。また、一つ一つ高級そうだ。
「……仕事って、何してるの?」
当然の疑問だ。ユーリはついに口にした。そもそもヒソカは仕事をしているのだろうか。
「慈善事業、かな」
狂気を覗かせヒソカは笑った。あぁ嘘だ、すぐに分かった。あえて深くは聞かない。ヒソカは人を殺すことに躊躇いが無いようだった。ならば追求しても、良いことは無い。
「シャワー浴びてくる◇ 待ってて」
「わかった」
ヒソカが浴室に消えたあと、辺りをキョロキョロと見渡した。
彼らしくない、というほど彼のことは知らないが、とにかく彼らしくないと思った。生活感も無いし、ここでヒソカが暮らしているとは思えない。