愛とは

□確かめる
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「五万円、まだ貰ってないんだけど」
「ボクが出すよ。でも、必要無いと思うなぁ。だってキミは、今ここで人生が終わるかもしれない訳だし◇」
「終わらない。だから必要なの」
「そう。じゃあ、あげる☆」

ヒソカは財布からお札を取りだしユーリに差し出した。

「それって普通のトランプ?」

ユーリは死体の喉に刺さっているトランプを見ている。

「そうだよ。タネもシカケもございません☆」
「私、タネ分かっちゃった。そしてこのお金に施されてるシカケもね」
「へぇ」
「手が汚いと私の価値が下がる。“周”なんてやめたら?」

まさか見破るとは。周を知っているどころか、シカケまで当ててみせた。この青い果実は、優秀のようだ。


「……クックック」
「なに?」
「面白い。面白いよ、ユーリ☆」

ああ、殺すのが惜しい。惜しすぎる。将来有望の青い果実、ここでもぎ取るなんて……

「……やーめた☆」

そうだ。やめよう。ユーリは、必ず殺しがいのある使い手になるだろうから。

「そう」
「恋人コース、やっばり頼みたいなぁ。まずはお試しの一週間☆」

ヒソカは紙を差し出す。

「切手だよ◇ 好きな時に受け取ってくれたらいい」
「……うん、わかった」

ユーリが何を考えているのか分からない。自分も何をしたいのか分からない。
だから、確かめる。見極める。この一週間で結論を出そう。

「好きだよ、ユーリ☆」
「私も好きだよ、ヒソカ」

ボク達は、“好き”なんかじゃないはずなんだ。
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