愛とは
□一日目
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まず、服を買いに行くことにした。ユーリの服装は、所謂“仕事着”である。適当な店に入り、物色する。
「これなんかどうかな◇」
ヒソカが手にしたのは白のワンピース。膝丈で、所々にレースがあしらわれている上品なデザインだ。
「可愛いね」
にこ、ユーリは微笑む。あぁこの営業スマイルを崩したい。
「これひとつ買おうか◇ あとは好きなものを揃えていいよ☆」
「ありがとう」
ユーリは白のワンピースを手に店内を歩く。靴、帽子、上着をテンポよく決めて試着室に入った。しばらくするとシャー、とカーテンの開く音がした。
「どうかな?」
似合っている。まるで全てがユーリのために存在しているのか、と思えるくらいに。
「とてもよく似合ってるよ☆ 全部買おう」
「いいの? 全部?」
「お金持ちだからね☆」
「……ありがとう」
服代は全く惜しくない。むしろ得した気分だ。あの洋服も、さぞ喜んでいることだろう。
「お腹が空いただろう、カフェに行こうか。キミの話を聞かせておくれよ◇」
まずは、知ることからだ。
カフェに到着した。モノトーンのオシャレな建物に、植物の緑が映えている。カラン、と音を鳴らして扉を開き、一番奥の個室を希望した。
お互いに好きなものを頼み、当たり障りのない会話をして食事は終わった。食後のアイスコーヒーが届くと、ヒソカは話を切り出す。
「ボクたちはお互いについて知らなさすぎる。自己紹介をしよう◇」