愛とは
□一日目
3ページ/4ページ
「ボクはヒソカ。好きなものは青い果実☆ 得意なことは嘘をつくこと」
自分で言っていて、信用できないプロフィールだなと思う。ユーリの反応は、無いに等しかった。
「私はユーリ。好きなものはお金、得意なことは人を上手く使うこと」
ユーリもなかなか酷い自己紹介だ。二人は笑い合う。
「ボク達って最低だね」
「そうだね、可笑しいね」
そこからもお互いの説明が続いた。何色が好きだ、何が食べれない、など普通のことを喋っているが、あることに気づく。
ユーリは過去を語らない。ヒソカ自身もそのタイプのため、良く分かる。上手くかわしているが、過去のことは一度も口に出していない。
「キミのことが少し分かったよ☆」
過去に何かあったんだろ、という言葉を心の中で続ける。
「それはよかった」
相変わらず営業スマイルのユーリから感情を読み取るのは難しい。
「じゃあ買い物に戻ろうか」
「うん」
外はうっすらと暗くなっていた。街の電灯が良いムードを作り出す。