小説:君想ふ。

□ゆっくりだけど、確実に育つ恋の花。
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近かった。感想、近かった。

泉くんが、目の前に…沸騰しそうだ。
泉くんをみた瞬間驚いて、急に起き上がったのがダメだった。
舞い上がっちゃダメだ、うん。そーだそーだ。

泉くんは、高校でも人気だ。モテモテっぷりは変わらない。
私なんかを心配して見に来てくれる、優しい人だ。
自惚れちゃだめ、西浦にはかわいい子なんていっぱいいるから、私も自分磨きを頑張らないと。

泉くんのあとにきたあゆみは、私の顔を見るなり、早退決定!とか言って担任を呼びに行った。
荷物は9組からあゆみが持ってきてくれた。どんだけ早いのよ。
帰ることになったはいいが、家に誰もいないので、担任が送ってくれることに。
良かった、優しい担任で。明日、全快!とはいかないだろう。
これだけ痛いと産婦人科いった方がいいのかな…ちょっと怖いな。

明日の調子しだいでは休まなくちゃだな…休みたくなかったなぁ。

翌朝起きるとメールが4件と、21時頃に泉くんからの着信履歴があったのを見てドキっとしてしまった。
うう、もったいないことをした…
メールには、「今日来れそうか?」ときていた。なんて、優しいんだ…

起きてみた感覚、昨日の二の舞になりそうなので、休むことにした。
メールには、電話出れなくてごめんなさい、今日まで休むという内容で返信した。
あとは、あゆみからと他のクラスの部活友達と、いつものクラスのメンバー1人からきていた。
ありがとう、みんな優しい…。1人1人経緯を記し、今日まで休みます、迷惑かけてごめんね、と送信。

すぐに返信が来たのはやっぱりあゆみからだった。「迷惑じゃない!」と一言。
ありがとうと返信すると、すぐに受信画面に切り替わって…返信早すぎ、と苦笑していた。
もう一度受診画面に切り替わると、今度は泉くんから返信が届いた。
“無理すんなよな”と。“うん、心配してくれてありがとう”と返すと
“ノート、俺がとっとくからな”ときた。どこまでもうれしい勘違いさせてくれる人だ。

こんなに幸せでいいのだろうか。
“迷惑じゃなければ、見させてもらうね”と送ると、“迷惑じゃねぇ!”とすぐに返信がきた。

2人とも似ているなぁ、と少し笑ってしまった。
そうこうしているうちに、眠気が襲ってきて、いつの間にか寝ていた。明日、直接お礼いわなきゃ、な。

ゆっくりだけど、確実に育つ恋の花。
開花するまであと…

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