小説

□君の愛と
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〜プロローグ〜

「今日は、風が強いなぁ…」

翔太朗は窓から外を眺めていた

この日は、風見鶏が絶える間もなくまわり続け窓はガタガタと鳴るほどだった

「春の嵐とラジオでは言っていたよ」

そう言って奥にあるガレージから出てきたのは翔太朗の相棒、フィリップだ。
後ろには、所長である亜樹子とその旦那である竜が出てきた


翔太朗は憂鬱そうに

「今日は出かけられられねぇな」

「依頼もこないだろうねぇ…」

亜樹子が【だろう】のろ″を言いかけた時

「すみません」

お客が来た。

第一章≪風が呼んだ一人(お客)≫

「もしかして、依頼?」

亜樹子はいかにも別に意味がありそうなセリフを言った

「えぇ、まぁ」

依頼者は微笑んだ

その依頼者はとてもきれいで清楚な女性だった

翔太朗はここぞとばかりに

「あぁ、いらっしゃい!!お名前は?」

と話しかけた

「アマルフィ・神田です」

「・・・・・・・・・。えぇ!?」

全員は目を丸くし、竜なんかはコーヒーを入れたティーカップを落とした

「アマルフィ神田です」

「ア、ア、アマルフィ・神田さんですね…?」

「はい」

「あ…あ、はい」

「どうしました?…名前…変でしたか?」

「あ、いや…なぁ!!」

「う、うん!!可愛らしい名前だと思いますよ!!」

「ありがとうございます」

彼女は照れながら答えた。

その場にいた、4人は

「(おおらかな人だ・・・)」

と、驚いていた

「ところで要件は?」

フィリップが話を戻した

「えぇ、実は変なおばさんに会ってですね。おかしなことを言われたのです」

「お、おばさん!?」

「はい、そしたら

『今に世界は壁に囲まれ次元を超える』

って言い出したんです。おかしいと思いません?」

「あぁ、うん。おかしいとおもうんだけどさ…いいかい、お嬢さん?」

「?なんです?」

「何を調べろと?…」

「いえ、ちょっとお話したかっただけです」

と、無邪気な笑顔を浮かべた

皆は再び驚いた

初めてのケースだった

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