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雨が…(正臣
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「……………」


『…………雨凄いね。』


音を聞けばかなりのどしゃ降り。
まぁ、その雨に私たちも降られたんだけど。
とりあえず正臣ん家が近かった為正臣ん家へ退避した。

『せっかくの久しぶりのデートだったのにねー…。』

正臣からのタオルを受け取りながら頭やら体やらを拭く。


ふと、正臣を見ると、
雨のせいで服が張り付いてて、なんだかんだで正臣も男の子なんだなー、引き締まった体してるし。


「…え、なんかそんなに見つめられたら照れるというかテンションがあがっちゃうんだけど。」


『え?あぁ!ご…ごめん…。』


しまった、凝視し過ぎた。ヤバい恥ずかしい。


「つか、すげぇ濡れた…、これは風呂直行だな…。結衣も入るだろ?」


『あ…うん。そうさせて貰おうかな…?』


「じゃ、先入れよ。」


この廊下の角だから。と正臣は指を指しながら言った。


『いや…でも正臣も濡れちゃったし…正臣先に入りなよ。』


ここは家主が先に入るべきだよね。
こうみえて私、体は頑丈な方だし。


「ダーメ。女の子が先。風邪引くだろ?」


正臣は私の手を引きながら脱衣場へ。

つか、風邪引くのは正臣も一緒なのに…。

と、そこで私は一つの考えを思い付いたんだけど…、この作戦はあまりにも危険ではないだろうか…。

いやでも、正臣も早く入らないと風邪引いちゃうし…。


と、迷っているうちに脱衣場に到着してしまった。


「んじゃ、服とか取って来っから。」

と正臣が脱衣場が出ていこうとする。

……あぁ!もう!こうなればやけくそだ!!
正臣が風邪引くよりは全然マシだ!!

『正臣っ!一緒にお風呂入ろう!!』


私のその言葉を聞いて正臣はしばらく硬直。その後思い切りこちらを振り返りすごく驚いた顔してた。うん。まぁそりゃぁね。驚くのも無理ないと思う。


「結衣!それ本気で言ってる!?本気!?ホントのホントで本気!?」


うわ…、本気本気うるさいな…。いっそ嘘です。って言ったらどうするんだろう…。

と…そんな悠長にもしてなれないかな…?

あんまり考えてると体冷えちゃうし…。


『ほらっ!しょうがないでしょ?早く脱いで!!』


「…ついに女の子と混浴かぁ…。」


正臣くん…、なんかすごい嬉しそうな顔してるけど…。









































「ちょ、なんでタオル巻いてるの?ここは外国じゃないんだぞ!!IN Japanだからな!!だからそのタオルは取りなさい!!というか取らせろ!!」

うん。だってまだそういうのは、恥ずかしいじゃん?
正臣から借りたタオルを体に巻いてとりあえずシャワーを浴びていた。ちなみに正臣はお湯に浸かっている。


『死んでもお断りだよ!!』

そんな私の態度を見た正臣は、あーあ…、とため息をつきながら、

「結衣が、入ろう?って優しく誘ったんじゃん!!俺はてっきりお風呂プr」


『黙れ!!この変態!!私が一緒に入ろうって言ったのは正臣が風邪引いちゃうからって思ったからだよ!!別に変な意味はないの!!』

はぁ…、ちょ息継ぎ無しはちょっとしんどかったわ…。と、無言になった正臣を見ると、お風呂でのぼせたのかそうでないのか、顔が赤くなっていて。


「…………結衣の…バカ。」


と小さく呟く声だけが聞こえた。



(誰がバカだって?誰が?)


(ちょ…俺の話聞いてよ!そういう事じゃなくて!!)


(問答無用っ!!)


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