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どっちがいい?(正臣
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「結衣さー、」


突然雑誌を読んでいた正臣が私に話しかけた。


『ん?』


正臣の家に貯まっていた洗い物を処理していた私は、声だけで反応する。

すると正臣はとんでもない事を突拍子もなく言い出した。


「結衣はさ、【紀田結衣】になるか、俺に【松岡正臣】になってもらうか。どっちがいい?」



ガシャン!!


いきなり過ぎて、皿を流し場に落としてしまった。

割れなかったけど。


『な…何よ!!いきなり!!』

突然すぎる正臣の問いかけに動揺していると正臣は雑誌を捲りながら、


「いやー、今この雑誌の《特集!!10代で結婚した人に聞く!!名字は彼氏のを貰うか彼女のを貰うか!!どっち!?》っていう記事読んでたら気になってさ。」


………いや、何その記事。そんなどうでもいいこと記事にすんな。
だったら今の税k…

失礼。


とにかく。なんでそんな記事読んだかな全く。


落としてしまった皿を拾いながら、もう一度洗い直す。


『…私は別にどっちでもいいけど?』


紀田になろうが松岡のままだろうが、正臣と一緒になるのは変わりないしね。

………というのは死んでも言わない。恥ずかしいから。



「んー?そうか?なら【紀田結衣】になって貰うかなー、あ、でも【松岡正臣】もなんかカッコいいよなー、なぁ、やっぱりどっちg『しつこい』すいません。」

もう…そんなに聞かれたら皿洗いに集中できないじゃん全く…。

その後正臣はしばらく黙って雑誌を読んでたんだけど、不意にとあるページで止まった。


「………………なぁ、結衣。」


『ん?何?』


「……………正面か後ろか。どっちがいい?」


『……………は!?ちょ…正臣っ!?アンタ何言ってんのよ!?』


よくもまぁ堂々とそんな事を聞けるわね!!


「んー?なんで?俺は【抱きしめられるならどっちがいい?】って聞いたつもりだったんだけど…、あっれー、もしかして結衣ちゃん今ちょっとエロい事想像しt『うるさいっ!!』わぉ、照れてる結衣はかわいいぜ!!」


『うるさい!!なんか恥ずかしいからやめろ!!』


皿洗いが終わり、正臣の元へ戻る。

すると正臣は待っていたかのように私を床へと押し倒した。


『ちょ…正臣っ!?まだお昼なんだけど…』


「俺たちの素敵な愛の時間に、時間なんか関係ないぜ?そうだろハニー?」


と正臣は妖しく笑みを浮かべる。
いつもの声よりもちょっと低い声。

私がその時の正臣に弱いのを知ってるから…。

『…………バカ』


と、抵抗出来ないのも正臣は知ってるから。


でも、そんな正臣が心から好きなんだよね。


(よし、じゃあ今日は2ラウンド行くぞ)

(え、なんでよ?)

(それはもちろん、前からか後ろからか、どっちがいいか試す為だよ!!)

(ちょ!!いいわよ!!恥ずかしい!!)

(さぁ、お楽しみの時間だぜ!愛しのマイハニー!!)

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