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もしも正臣が…
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とある朝の事。

『(正臣が、学校お休みなんて、珍し………くないか。』


時々サボってるしね…。


授業中、ふと隣の席に目をやる。そこにはいつも元気なナンパ少年の姿はなく、誰も座っていない椅子と机だけが置かれていた。

あーあつまんないなぁ…、というか、彼女に連絡位入れなさいよね…、

携帯にメールが入っていない事を確認して軽くため息をつく。

彼が今日、休みだと聞いたのは先程の事。

ホームルームの時間に先生に聞いたのだ。


先生が言うには本気で風邪を引いたらしい。


…………バカは風邪引かないは迷信なんだね。やっぱり。


そんな事を考えながらボーッと授業を聞いていると、携帯のバイブ音が服越しに伝わって来た。
バイブがすぐ止まった事から多分メールだろう。

もしかしたら正臣からかも知れない。

『(先生…見てない…よね?』

視線を、チラッと先生の方に向け見ていない事を確認する。
私の席は窓側の一番後ろになっていて、あまり先生からの視線を注がれる事は少ない。


携帯をさっと取りだし、メールの内容を見る。
差出人は、やはり今日学校を休んだ張本人、正臣だった。


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その授業終わったら俺んち来てくんね?

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なんとも短い文だな。もっとこう、彼女に謝る事があるでしょうが。
まぁそれは後で言うとして…。
この文を見るに、お見舞いに来いという事なのだろうか。
いや絶対そうだろう。

素早くボタン打ち返信をする。


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放課後お見舞い行く予定だったけど…、

放課後じゃダメなの?

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携帯をパタリと閉じ返信を待つ。

あ、ヤバい黒板書いてないのに消された。

後で、帝人辺りにその辺のノート見せて貰お。

携帯を確認するといつのまにか返信が来ていたらしく内容を確認する。


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俺、今すぐお前に会いたい。
ダメ?


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『…………………』


心臓が大きく脈を打つ。
心なしか顔も熱を持ち始めた気がする。

そんな可愛い事言われたら否定は出来なくなる。
素早く返信を打ち携帯を閉じて、バレないように、帰る支度をする。

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わかった!!授業終わったら行くから、大人しく待っててね。


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さて、今のうちに委員長に適当に理由をつけて早退メールでも送っておこう。


委員長にメールを送った数分後誰かの携帯が鳴り響き、その誰かが皆の注目を集めてしまったのは、別のお話━…。
























コンビニで適当に色々買い、正臣の家のインターホンを押す。

…………しばらく経っても一向にドアが開く気配がしない。

おかしいな…いつもなら3秒位で出てくれるのに…、

不審に思い、ドアノブに手を掛ける。

ドアノブを回すとドアは簡単に開いた。
わぁ無用心。今は空き巣とか色々技術が高度なんだから気を付けなきゃダメじゃないのー。
とりあえず玄関に入り大声で叫ぶ。
『防犯大事だよー!!』

あ間違えた。


『正臣ー!?いないのー?!空き巣に入っちゃうよー!!』

……………、なんだ本当にいないのか?と思っていたら奥の方から声が聞こえた。

「堂々と空き巣宣言するなっての。まぁ悪かったなー、風呂入ってたら気づかなくてよー…、」


トタトタと足音を立ててやってきた正臣の頭には━…


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