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□変態っっ!!
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「おい、凛」
『……なんですか、真広さん』
「……………もっとこっちに来いよ。」
『………死んでもイヤです』
「…………ハァ」
ソファーに座っている俺と、部屋の隅っこにいる俺の彼女の凛との距離は約3メートル。
……………どうみてもおかしいだろ。
恋人同士との距離では絶対にないと、俺は思う。
『…………ため息つかないでください。つきたいのはこっちの方ですから』
真広が、いけないんですから。
そう言った凛に、何も言えず、ただ視線だけを逸らした。
『真広は夕飯何が食べたいですか?』
真広宅に遊びにきていた私は、せっかくだからと夕飯を作る事にしたんです。
真広は、ソファーのひじ掛けに頬杖をつきながら、
「……じゃあ、凛を食べる。」
『……………は?』
私が、反応した時には既に真広に押し倒された後でした。
「だからと言って、腕に噛みつく事はねぇだろ」
少し痛む右手をさすりながら、凛にそう言うと、真広さんが悪いんですから、
と先程と同じ答えが返ってきた。
答えも単調だし、凛に触りたいけど触れない。
……………だんだんと、イライラしてきたな…。
そもそも、俺はただ凛を美味しく頂きたかっただけなのに、なんであんなに抵抗されなきゃいけねぇんだ………、
「……………あ、」
『………なんですか、そんな阿呆な声を出して。もしかして、とうとうおかしくなりましたか?主に頭が。』
「……………それは、俺に喧嘩を売ってるって事でいいのか?」
ツンツンした声でそう言う凛に、顔をひきつらせながらそう言う。
というか、話が逸れた。
俺が言いたいのはそうじゃなくて
「もしかして、シチュエーションとか…気にしてたのか?」
俺の意外な言葉に、凛は、ポカンとした顔をしていた。
「ほら、女ってそういうの気にするだろ?それに結衣はまだ処g『それ以上は言わなくて結構です!!』………で、どうなんだよ」
近くにあったらしいぬいぐるみを投げ付けられ若干ムッとしながらそう言えば、途端に黙りこんだ。
………図星か?
『……………い…です』
小さくボソボソと何かを呟いたらしい。
よく聞き取れなかったので、もう一回と言え。と言ったら、今度は大分聞こえる声で、
『その、初めてだったから……怖いんです』
そう言った。
顔を赤く染めながら小さくなって部屋の隅にいる彼女。
しかも、目も潤んでいるというおまけつき。
…………………これは、ムラムラしない方がおかしい。
という訳で
「…………じゃあ優しくしてやるから。安心しろ」
『………は?え、ちょ…私の許可は無視ですか!?』
部屋の隅にいた凛を無理矢理抱き抱えベッドへ。
抵抗する凛に口元にキスをしてやれば顔を赤くして目線を逸らした。
「………………その顔は、もはや凶器だな。」
━━可愛すぎてどうにかなりそう。
まぁ、そんな事は言わねぇけどな。
(凶器って、失礼ですね)
(ちげーよ、ブサイクとかそんなんじゃねぇよ)
(……………あ、そう)
(…………久しぶりに敬語、抜けたな。)
(…………気のせいです)