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□放課後
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『なーつめくん!!』


「うぁわっ!!」


肩を少し叩いただけなのに凄くびっくりされてしまった。
……なんだか失礼だと思うよ。夏目くん。


私の心境を察したのか夏目くんはワタワタと言い訳をしはじめた。


いきなりでホントにびっくりしたんだ。
ごめん、傷つける気はなかったんだ。


そんな事を慌てながら言ってくる夏目くんに、少し笑みが漏れた。


…ホント、夏目くんは可愛い人…。







肩を叩かれた時、俺はぼんやりと外の景色を眺めていた。
チラチラと妖怪の姿も目にはいったのだが、とりあえずボーッとしてた。


そこでクラスメイトである四宮に声を掛けられ驚いた訳だ。


「…で、どうしたんだ?」


『どうしたって…』


四宮が困ったように笑った。


『もう、放課後だよ?夏目くん』


「…………ホントだ」


俺はかなりの時間ボーッとしていたらしい、

時計の針は4の文字盤を指していた。


『帰らないの?夏目くんは』



そう言って、四宮はカバンに教科書類を詰めていく。

「いや、帰るよ。ありがとう四宮。声を掛けてくれて」


微笑めば四宮は少しの間目を見開いていて、その後すぐに顔を赤くしていた。

『べ…別に気にしないで!!ただのお節介だからっ』

「?なんで慌ててるんだ?」


『あ…慌ててなんかいないよっ!!早く帰ろ!!夏目くん!!』


「あ、ちょっと待ってくれよ!!」


スタスタと歩いていく四宮を追いかけながら、心の中で俺は小さく呟いた。


…昔は俺を怖がって誰も声を掛けてくれなかったんだよ。
四宮は何も考えず接してくれているから、凄く安心する。


「……傍にいたい…って思ってるんだよな」


きっとこの感情は、"恋"なのだと確信しながら、その気持ちをいつ伝えるべきか。


『なつめくーん!!置いてくよ!!』



遠くで思い切り手を振っている彼女に笑みを溢しながら、とりあえず今はまだ伝えるのは止めようと思い、彼女が待っている場所へ走り出した。

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