黒子

□静寂教室水溜まり
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お腹痛い。

さっきからしとしとと降る雨がうざい。

気持ち悪いのは嫌い。

さっきから絡みついてとれない汗とか、

見つめてるみたいに動かない虫とか、

他にも、もっといっぱい。



「水戸部くん」


私が声かけても彼はまるで「あ、苦手なやつが来た…」とでも言うようにほほえんでるんだか困ってるんだか微妙な顔して…小金井のとこ行ったりして、逃げる。


顔はいいし背も高いからさ、見た目は結構タイプなのに…。

しゃべってくれないとこだけはいただけない。

気持ち悪いとまでは言わないけど、…水戸部くんのこと苦手だなって思ってた。









「は?お前みたいなブスと付き合うわけないじゃん」


ある日、誰もいない教室でクラスの男子に告白したらふられた。

ばーか自分。
相手はサッカー部のモテ男さんだぞ。
身の程を知れっつーの。


相手はさっさと教室からいなくなっちゃったから、私は本当に静かで誰もいない教室で1人机に突っ伏してた。

傷ついてないし。
こんなことじゃ泣かないし。
私強い子だし。


そんなこと思ってたら頭に大きな大きな手が乗っかった。


「………水戸部くん」



いつの間に隣に座っ
てたんだろ。
水戸部くん見た瞬間大泣きしちゃったけど、彼は一言もしゃべらずただ静かに私の頭をなでてくれた。





『静寂教室水溜まり』


(ごめん、さっきの言葉取り消すね)



12/05/03

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