黒子

□ヒトリボッチ
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なまえちんはさぁ。俺のこと嫌いなわけ?



なまえちんを壁に追い詰めた。小さい身体はふるふると震えている。
目には涙を溜め、多分恐怖とか絶望とかそんなものを溜めた目だ。

いつも俺が捻り潰した後の才無きやつらの目。

気にいらないけど背徳的で、そそる何かがあるのも確かだ。


なまえちんが俺の腕の下からすり抜けようとした。

しかし俺はそれを逃さず腕をつかむ。

「ねぇ、俺から逃げられるとでも思ってんの?」

なまえちんは悔しそうに唇を結ぶ。


なんだよ、なんでそんな目で俺を見る。

俺はこんなになまえちんのことが好きなのに。


「教えてよ。なんで俺のこと避けるの?」

「…紫原くん…怖い」

「は?」


なまえちんが目を逸らした。
そこで気づく。
俺何やってんの? 俺みたいのが女の子に詰め寄ったら怖いに決まってんじゃん。
しかも、好きな子相手に…何やってんの俺。

「ごめん…」


なまえちんは一瞬だけ悲しそうに俺を見てとても小さな声で言った。



「紫原くん…怖いよ。それは、身体の大きさとかじゃなくてさ。」


力してる人にあんなこと言うなんて…













無意識だった。


気づいたら無理やり唇を奪っていた。


すごいイライラしてた。


彼女がすごく怯えた目で見てた。


悪いけどゾクゾクした。


このまま無理やり抱いちゃおうと思った。





『ヒトリボッチ』


(愛のない世界で独りきり)





12/04/27

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