黒執事
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生きているのか死んでいるのか
分からないような毎日
今が朝なのか夜なのか
真っ暗な部屋の中ではそれすらも分からない
意識があるのは背中の痛みが消えないから
いつまでも追いかけていた父の笑顔が更に私を追いつめる
「おい、生きてるか」
嗚呼まただ
ピクリと返事の変わりに指を動かすが気付いていないだろう
「出てこい」
虚ろな目で姿を確認するが、ぼやけて誰なのかも分からない
「おい!」
グイっと髪を引っ張られても抜けるのが見えるだけで痛みもない
背中の痛みが強いから?
もしかして
この痛みも幻なの
ガツン、
「ぎゃあああああああああッ」
ギロチン
幼い頃に絵本で見た
“悪いことをした罪人が、首を切られる”
「次に言うことを聞かなかったら、今度は右足も切るからな」
にじみ出る赤黒い液体
乾いた躯から出る脂汗
さっきまであったはずの私の足は
支えを失って指先が彷徨った
繰り返される拷問
私が何をしたというの