少女

□地獄
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死にたい…。私は何のためにこの世に生まれたのだろう…。

小学5年生の頃から考えているが、未だに分からない。私は苦しむために生まれたのだろうか?
楽しいことも沢山あった。でも苦しみに比べたら楽しみなどほんのわずかだ。

幼児の時に大好きだった祖母を失い。学年が上がるにつれ、人間関係に気を使うあまり自分の思いを上手く言うことが出来なくなり、友達を失う恐ろしさを知り、心を失い、小学5年で祖父を失い…。
私の周りから大切なものが、人が消えていく。私の周りから光が消えていく。怖い…。闇に呑み込まれる…。闇に呑み込まれる前に、自分からこの世を去ろうか…。

自分の手首に彫刻刀をあて、切ろうとしてみるが、手が震え、切ることが出来ない。
私はまだ心のどこかで生きたいと思っているのだろうか。ならどうすればいい…?ずっとこのまま闇を恐れ、苦しみながら生きろというのか?そんなの耐えられる訳がない。

私は近くに置いてあったぬいぐるみを彫刻刀でズタズタに切り裂いた。何度も何度も…。ぬいぐるみが原形をとどめなくなるまで切り裂いた。
ぬいぐるみを切り裂くと少しすっきりした。しばらく無様に色々な部分から綿が出ているぬいぐるみをボーッと眺めていると、不意に左手の人差し指に鈍い痛みが走った。見てみると、指先から血が出ている。きっとぬいぐるみを切り裂いている時に切れたのだろう…。
傷は浅く、少しかすって切れたくらいだった。
私は止血しようとはせず、ただボーッと血が流れるところを見ていた。流れている血を見ると不思議と心が空っぽになり、すっきりした。痛みさえ快感に思えた。この時私は思った。

「あぁ…。もう私は狂ってるんだ…。もう私は人間じゃない…」

そう…私は人間じゃない。人間じゃない、人間じゃない、人間じゃない…。

…もう死にたい。もう楽になりたい。もう疲れた…。これ以上苦しむ前にこの世を去りたい…。でも死ねない…。あぁ…ここは地獄≠セ。
死ぬことを許されず、永遠と苦しみ続ける。私にとって生きることは地獄なんだ。

私は生きている限り罪を償い続けなければならない。私の犯した罪は、親や友達、私を信じてくれる人を騙し続け、私を生んでくれた親への感謝も忘れ、殺したいと思ってしまうこの心なのだろう。私を信じてくれる人さえ信じられないこの心なのだろう。笑いかけてくれることが…側にいてくれることが…どれほど嬉しくて大切なことか知っているくせに、友達だと…大切な人だと思えないこの最低な心なのだろう。

私のしてきたことは一生償っても償いきれないくらいの大きな罪。

こんな最低な子でごめんなさい…。騙していてごめんなさい…。信じられなくてごめんなさい…。

どんなに謝っても謝りきれないほどの大きな罪。

それでも謝らずにはいられない。あぁ…私はいつ許してもらえるのだろう?私はいつまで苦しめばいいのだろう?

―――私はいつになったら楽になれるのだろう…?―――

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