勇気を、下さい
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目を開けると、広がる一面の闇。
音も光も無い世界に私は再び訪れていた。
今度は前と違って、気持ちは落ち着いてる。
でも私はなんでまたこの闇の世界に来たんだろう。
記憶も戻った様子は無い。
"ワスレルナ、ルーシィ。"
「誰っ!?」
いきなり、闇の中から声が響いた。
視線を辺りに動かしてみるが、見えるのはやはり黒色だけ。
"ワスレルナ…
忘れるな、ルーシィ。
私はあなた。あなたは、私。
どんなに足掻いても、どんなに否定しても、結果は変わらない。"
「どういうことっ!?」
"さぁ?
それは、自分で考えなきゃ駄目…。
あたなが、気づかなきゃいけないの。
私のようになってしまっては、駄目。
辛くても、悲しくても、受け止めなきゃ駄目なの…。
思い、出してね。
大丈夫、私は…あなたを…私を…信じ…て…る…。"
「ちょっと!待ってよ!私…。」
声は段々と弱々しくなっていき、闇に消えた。
もうなにも聞こえない。
あなたは、なにを伝えたかったの…?
ねぇ…。