贈り物
□君に恋をする
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二人きりの部屋、閉められた空間、風呂上がりの彼女。
桜色に火照った顔、ふっくらと柔らかそうな唇、オレをうつす、潤んだ瞳。
そんな状態で彼女は、オレの膝の上に乗っている。
調度ベットに寄りかかるようにして座っていたので、ルーシィの顔が間近に迫る。
どうして、どうしてこうなった。
猫よりショボいと言われる頭で必死に考える。
と、取り合えず今日の出来事を思い返してみた。
朝、オレはいつも通りハッピーと二人でギルドに向かった。
道中はこれまたいつも通り、ルーシィにどんな悪戯してやろうとか、今日はどうやって忍び込んでやろうか、とか、他愛ない話をして。
それでギルドに着いて、喧嘩を吹っ掛けたり、吹っ掛けられたりして、騒いで…
うん、いつもと何ら変わりない日常だった気がする。
…強いて言えば今日は珍しくルーシィと話してなかったし、ルーシィも話しかけてこなかった。
それに妙に静かで大人しかった。
あの、ルーシィが。
何時もは大口開けて馬鹿みたいによく笑うルーシィだけど、今日は眉間に皺を寄せてどこか、追い詰められているような顔をしていた。
まぁオレはそんなに気にしないで、過ごしていたんだけど。
それでルーシィが変だったから今日は珍しく自分家に帰ろうとして…
そん時にルーシィがいきなり声をかけてきて、なぜか一緒に帰ることになって、なぜか夕飯も食べて、なぜかルーシィが風呂入って、現在にいたる、と。
…オレ、なにもしてないよな?
今回はちゃんと自分家に帰ろうとしてたし、不法侵入もしてない。
おまけに悪戯さえ仕掛けてないんだ。
オレはなにもしていない!
そんなこんなを考えているうちに、ルーシィは姿勢を変えていた。
膝の上に乗っていた状態から、調度オレの足の間にすっぽりと収まるように座って、頭をオレの胸の上に乗せる。
そのせいで風呂上がりの石鹸の匂いや、シャンプーの甘い匂いがオレを襲った。