短編小説

□がーるずとーく
1ページ/5ページ

「ルーシィ!今日ジュビアの部屋に泊まりに来ませんか!?」

それは突然だった
先程からジュビアがちらちら見ていたことをルーシィは知っていたが、いきなり切羽詰まった顔で迫られたら怖いものがある

「だめ、ですか…?」

「行く!行きたい!」

反射的に答えてしまったが、悲しそうな顔のジュビアは見たくなかったし、それに、ルーシィ自身も本心から行きたいと思っていたのでよしとする

ルーシィの返事にジュビアは花が開いたように嬉しそうに笑った

その笑顔に思わずルーシィの口も緩む

「あ、いたいたルーちゃん!昨日ね、ルーちゃんが読みたいって言ってた本、仕事でもらったの!よかったら今日部屋に来ない?」

「あ、レビィちゃん…」

これは非常にまずい!

ルーシィの右には、ルーシィを睨み付けているジュビア
左には状況がわかっておらず、きょとんとしているレビィ

ジュビアの部屋にも行きたいし、レビィの言っていた本も読みたいルーシィは、ひとり葛藤に悩まされる

なにかいい方法はないか考えるが残念ながら、何も浮かばない

ジュビアの部屋にお泊まり、レビィちゃんの部屋にある本、二人はフェアリーヒルズに住んでいて…

「あ、そうだ!レビィちゃん!今日レビィちゃんもジュビアの部屋に泊まらない?ね、どうかな?ジュビア!」

いきなりルーシィに話しかけられたジュビアはびっくりしており、レビィは目を輝かせている

「ジュビア、いいの!?」

「え?あ、はい。レビィさんがいいなら私は歓迎しますよ」

「やったぁ!じゃあ私、準備するから先にフェアリーヒルズに行ってるね!また後で!」

レビィはそう言うなり駆けてギルドを出ていく
そんなレビィを見て、ルーシィまで嬉しくなる

「ありがとね、ジュビア」

「別に、ルーシィのためじゃないですから。ジュビアがレビィさんに来てほしいと思ったからです!」

素直じゃないなぁ、なんて思いながらそれは口にしない
きっと口にしたらジュビアはますます 否定すると、わかっているから

「じゃあ私も準備してくるね」

「はい。じゃあまた後で」

「うん!」

ジュビアと別れた後、ルーシィが向かったのは先程までグレイと喧嘩していたナツのもと

今はエルザの喧嘩両成敗のおかげでおとなしくカウンターに座っている
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ