短編小説
□がーるずとーく
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「ルーシィ!今日ジュビアの部屋に泊まりに来ませんか!?」
それは突然だった
先程からジュビアがちらちら見ていたことをルーシィは知っていたが、いきなり切羽詰まった顔で迫られたら怖いものがある
「だめ、ですか…?」
「行く!行きたい!」
反射的に答えてしまったが、悲しそうな顔のジュビアは見たくなかったし、それに、ルーシィ自身も本心から行きたいと思っていたのでよしとする
ルーシィの返事にジュビアは花が開いたように嬉しそうに笑った
その笑顔に思わずルーシィの口も緩む
「あ、いたいたルーちゃん!昨日ね、ルーちゃんが読みたいって言ってた本、仕事でもらったの!よかったら今日部屋に来ない?」
「あ、レビィちゃん…」
これは非常にまずい!
ルーシィの右には、ルーシィを睨み付けているジュビア
左には状況がわかっておらず、きょとんとしているレビィ
ジュビアの部屋にも行きたいし、レビィの言っていた本も読みたいルーシィは、ひとり葛藤に悩まされる
なにかいい方法はないか考えるが残念ながら、何も浮かばない
ジュビアの部屋にお泊まり、レビィちゃんの部屋にある本、二人はフェアリーヒルズに住んでいて…
「あ、そうだ!レビィちゃん!今日レビィちゃんもジュビアの部屋に泊まらない?ね、どうかな?ジュビア!」
いきなりルーシィに話しかけられたジュビアはびっくりしており、レビィは目を輝かせている
「ジュビア、いいの!?」
「え?あ、はい。レビィさんがいいなら私は歓迎しますよ」
「やったぁ!じゃあ私、準備するから先にフェアリーヒルズに行ってるね!また後で!」
レビィはそう言うなり駆けてギルドを出ていく
そんなレビィを見て、ルーシィまで嬉しくなる
「ありがとね、ジュビア」
「別に、ルーシィのためじゃないですから。ジュビアがレビィさんに来てほしいと思ったからです!」
素直じゃないなぁ、なんて思いながらそれは口にしない
きっと口にしたらジュビアはますます 否定すると、わかっているから
「じゃあ私も準備してくるね」
「はい。じゃあまた後で」
「うん!」
ジュビアと別れた後、ルーシィが向かったのは先程までグレイと喧嘩していたナツのもと
今はエルザの喧嘩両成敗のおかげでおとなしくカウンターに座っている