オリジナルストーリー
□妖伝説
1ページ/19ページ
第1話
「瞳ー!英語の宿題見せてー!!」
友人の声に、夕立瞳は呆れながら鞄からノートを出す。
「佳菜…いつも私の写してるでしょ?」
瞳からノートを受け取った桜井佳菜は舌をペロッとだしながら言う。
「だって〜瞳ならゼッタイやってるもん。そうでなきゃ、オール5なんてムリだもんね〜」
この言葉からわかるように、瞳は頭がいい。さらには運動神経抜群、性格もよくて、美人。
まさに『できる人』だ。
「桜井は相変わらずだな。」
「あ、小田クン…」
「一樹か。」
二人の話に乱入してきたのは瞳の幼なじみ、小田一樹だ。
「って、ことで。瞳、オレにも見せてくれ。」
「アンタも毎回でしょ?」
「頼むって〜!」
そんな一樹を見た瞳はため息をつき、口を開く。
「佳菜のあとでね。」
「よしっ!流石は瞳!」
承諾をもらった一樹はガッツポーズをしている。
「小田クンと瞳って、ホントに仲良しだよね。うらやましい。」
「幼なじみだからね。」