キングダムハーツ短編
□君を想う
1ページ/1ページ
城の中を歩いていたサイクスはふと、足を止め、摩天楼のあるほうを見た。
そこにヒトミがいるような気がしたからだ。
「ヒトミ…」
サイクスはぽつり、愛しい人の名を紡いだ。
昔、ヒトミに告白し、『親友以上にはなれない』と言われた。
しかし、後にアクセル…リアに聞いたら相思相愛だったらしい。
「珍しいね、サイクスがボッーとしてるなんて。」
「レイナか…」
背後から声をかけられたが、サイクスは振り返らなくても誰かわかっていた。
愛しい人のノーバディだからだろう。
「どうかしたの?」
「…何でもない。」
レイナに問われたが、サイクスは素っ気なく返事をする。
時々、サイクスはレイナがうらやましいと思う。
ヒトミに不自由なく会いに行くことができるのだから。
「…」
サイクスは無言でその場を去った。
その背中を見送ったレイナは呟いた。
「…お互い、気づきなさいよね。」
----------
サイクス編です。
シリアス…なんでしょうか?