寄り道 二本目

□Ocean is my world【前編】
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斬り結び、ギチギチと鍔迫り合いに突入する。

少年の炎のようなレットアイズが家を燃やす火に照らさせ、一層紅く見える。


「邪魔すんな!」


少年は吠え、力で剣を押し切った。


「なっ」


訓練している上に歳からして自分の方が力が強いと思っていたから、反応が遅れた。


少年はその隙を逃さず、鳩尾にサーベルの柄を食い込ませる。







アスランの意識はブラックアウトした。














「大砲の丸もっと持ってこーい」

「他に分かった場所は?」




騒がしい音が頭に響く。


うっすらと目を開けると、自分はどうやら船の甲板に寝かされているようだ。

視線の先で、慌ただしく汚れた靴が行ったり来たりしている。



「っ!?」



ガバッと起きようとしてバランスを崩した。

そのまま甲板に体が倒れ込む。


痛い。


「おーおー。頑張るなぁアンタ。」


頭の上で声がした。

それは少し前にも聞いた声。

グイと頭を上げると、先ほど斬り合った少年が、樽の上に座って興味深げにこちらを観察していた。


「あ、無理に起きんの止めといた方がいいぜ。縛ってるから。」


言われて腕を動かそうとすれば、確かに両手が後ろ手に縛られている。


「よくも…!!」

「なぁ、アンタ東インド会社の将校だろ?」


怒りに燃える翡翠を受けても、興味津々の赤い瞳は少しも揺らがない。


「だからどうした!」

「別に。それだけ聞きたかっただけ―…あ、船長!!」




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