寄り道 二本目

□365年分の奇跡 ―第1話―
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病院の前で解散となり、アスランも帰ろうとした…のだが。


「おい、ちょっと待てって…イザークとニコルも!」


ディアッカに呼び止められ、アスラン、イザーク、ニコルはいかぶしげな顔で再び集まった。


「どうしたディアッカ…」

「レポートの宿題あったろ?アレックス・ディノについて書けって。」


何故だか嫌な予感しかしない。
隣を見ると、イザークも同じようだ。ニコルはイマイチ分かっていない風だが。


「そんでさ、考えたわけよ。ハイネ先輩やミゲル先輩と戦った奴に勝って、遺跡の中を調査しちまおうって!!」

「はぁ!?」


確かにアスラン達はもう高校生だ。
ある程度の文献なら解読出来なくはない。それにイザークは郷土史に興味があり、アスラン達よりそういった物には詳しいだろう。


…だが。


「貴様監督がおっしゃった事を聞いていなかったのか!!恐らくこれから調査隊が編成されるんだぞ!」

「それに、遺跡にアレックスについての記述があるかなど分からない。処罰されるのがオチだろ。」


そんな二人に、ディアッカはニヤリと笑いを見せる。


「…とか言っといて、本当は自信がねーんじゃないのか?」


ピシ。

イザークから何かの音が聞こえた。


「そーだよな!なんせ俺達よりランクが下とはいえ、MS上位者の二人を病院送りにしたんだ。そりゃ自信が無くなっても当然…」

「俺はそんな腰抜けじゃないっ!!そうだろニコル!ここで逃げたら男が廃る!!」

「えぇ!?あ、はい!?」


くわっ!

イザークの気迫に、ニコルが気圧される。


「やってやろうではないか!!待ってろよ遺跡の妙な奴!!このイザーク・ジュールが貴様を袋叩きにしてやるわ!!」


すっかり焚き付けられたイザークを見て、アスランは深々とため息をついた。


「よっしゃ、そうと決まれば今夜決行な!8時、インフェトゥス登山口集合!アスラン、逃げんなよ!」

「…はいはい。」


こうなったら最後まで付き合うしか無いようだ。

アスランはもう一度ため息をついた。














両親が仕事で夜遅いので、アスランはマンションにきちんと鍵を掛けた。


「ちょっと友達の家で遊んできます、と。」


そして両親にメールを送り、歩き出す。


日が沈んだ空には、無数の星が瞬いている。










―…ア……クス!











「え…」




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