寄り道 二本目
□Devil Love!!
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事の発端は半時間前。
はしゃいだ兄が
「せっかくだからここでお茶でも飲もうよ!」
と一旦上がった後。
私はどんな本があるのかと適当にそこらへんから本を引っ張り出してみた。
そしたら。
「なんだこれぇ?」
六芒星のいわゆる魔方陣に、悪魔とかの名前やら召喚方法やら、魔術的な事がびっちり書いてあった。
知らないはずの文字が読めてしまったのも気にはなったが、それよりもこんなんで本当に悪魔が呼び出せるのかと、ちょっとだけ好奇心が湧いた。
丁度兄からはついでに夕食の買い出しにも行ってくるとメールも来たし、暇潰しもかねて、適当な悪魔を選択し、見よう見まねでやってみたのだ。
そしたら。
「…俺に何用か。望みを言え。代償と引き替えに叶えてやる。」
煙と光の中からすごくカッコよくてなんかやたら色気ある悪魔が、明らかに不機嫌な顔でそう言ってきた。
だから私は
「ごめんなさい」
土下座したのだ。
「もう本当にすまない。」
「は?」
「いやな、その…、実は、何か叶えたい事があってお前を呼んだわけじゃないんだ。」
「…はぁ?」
「ただその…、こんなんで本当に悪魔とか呼べるのかって思っただけで…。本当にごめんなさい。」
尚も頭を床に伏せ続けると、悪魔の少し呆然とした声。
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