寄り道 二本目

□Devil Love!!
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「…俺に叶えて欲しい事があるんじゃないのか。」

「うん、ごめん。」


暫くの沈黙が続く。

流石に不審に思って顔を上げると、何やら思案顔の悪魔。


「あ、のー…。もう帰っていいぞー…?」

「何故。」

「え、何故、って…言われても…。用なんて特に無いし…」

「俺が欲しいとは思わないのか。」

「は?」


思わず聞き返すと、深い翠の瞳がこちらを見つめていた。


「俺を召喚する奴は大抵女で、『叶えて欲しい事は無いから恋人になって抱いてくれ』とかいうのもいた。」

「だから私もそうだと?」

「ああ。」


涼しい顔であっさりと肯定され、一気にムカついた。

召還に特に意味はなかったから頭を下げたというのに、何なんだこいつ。

確かに顔はいい。

だが悪魔だからか、基本的に話し方が上から目線で凄く腹が立つ。

しかも私を欲求不満の女だと認定しやがった!



「いらん。帰れ。」

「え?」

「聞こえなかったか?帰れと言ったんだ。」

「俺が」

「だからいらんと言ってるだろ!!そもそも悪魔だか何だか知らんが、私はさっきから特に用も無いのに呼んで悪かったって謝ってるのに、何だその態度!!確かに悪かったのは私だが、こうもはっきりと尻軽女だと言われるなんて思いもしなかった!!ホラ分かったらとっとと自分の世界とやらに帰ってくれ!!お前ここにいるの嫌なんだろ!?」


いつの間にか立ち上がり、ギッと悪魔を睨み付ける。


悪魔はちょっと呆気にとられた顔をしていた。




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