獣道

□猫魂っ! cat.2 〜不思議な猫〜
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「ふー…。もう大丈夫だろう…」

カガリのその言葉に、ステラはホッと安堵した。

柔らかなタオルの上では、包帯だらけの茶色い猫が眠っている。
ステラは猫を撫でながら、呟いた。

「でも…どうしたんだろうね…。車に轢かれた訳でもなさそうだし…」
「ああ…。この傷、何か刃物で刺されたような…」

そこまで言って、姉妹は黙った。
世の中、誰しもが動物好きではない。
腹が立ったから八つ当たりした…とか、面白い…とかいう理由で生き物を傷付ける人が確かにいるのだ。

「可哀想…」
「ああ…。」
「…お姉ちゃん…」
「…分かってるよ。こいつは、うちで飼おう。」

うん、と頷いたステラの頭を、よしよしと撫でてやる。
動物が大好きなステラにとってはショックな出来事だっただろう。カガリだって冷静なフリをしているが、最初に見つけた時はパニックだった。

「…よし!一段落した事だし、ご飯にしようか!」
「うん!」

二人は猫を邪魔にならない所にそっと置き、夕飯の支度を始めた。

「あ、宇宙戦争SEEDが始まる時間だ。」
「本当か!?」

早速テレビを点けると、丁度オープニングが流れている所だった。

「はー、今日はどうなるんだろう…」
「たしか先週は、ヤマトが生死不明になっちゃって終わり…だっけ…?」
「そうなんだよ!ルージュが泣き叫ぶシーン……。あれは…泣いた。」
「うん。ステラも。」
「で、それを知らないアレックスはどうするんだろう…?気になって気になって仕方ないんだ…!!」

ステラは、まるでかじりつくようにテレビを視る姉の隣に移動し、自分もテレビを視始めた。
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