獣道
□猫魂っ! cat.4 〜初狩り〜
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「おはようー」
「おお!フレイおはよう!」
と、普通ならこの時間帯に絶対聞けない友人の声が返って来たので、フレイは目を瞬かせた。
「か、カガリ!?」
「なんだよ。幽霊でも見るような顔して。」
フレイはまじまじとカガリの顔を見つめ、
「…明日は吹雪ね…。」
「ちょっ、私が早く学校に来て何が悪いんだっ!?」
クラスが笑いに包まれる。カガリは納得いかないのか、頬を膨らませた。
「ごめんごめん。でも珍しいわね、ホント。なんかあった?」
「へへっーん!まぁね〜。」「良かったじゃない。」
そう。カガリはキラのお蔭で、朝に全力疾走せずに済んでいた。
それは遡ること二時間前―…
『…きて……お…て……かが…』
ん…?
何かがカガリの顔をポテポテ叩いている。
それは全く痛くなく、むしろ一種の癒しと和みを与えていて、凄く心地よい。
しかしこのまま眠り続けると、必死に呼び掛けている声の主に悪いような気がして、カガリはうっすらと目を開けた。
「んー…?」
「起きて!起きてよカガリ〜!!」
目を開けて一番に視界に入って来たのは、必死にカガリの顔に猫パンチを繰り出しているキラだった。
「起きてよ〜!!僕お腹空いた〜!!」
「え…今何時…?」
「6時だよ!ねぇお腹空いた〜!!」
(なんて丁度いい時間なんだ…)
それに起こし方が素晴らしかったため、寝起きも最高である。
(なんてありがたい目覚ましなんだ、キラ…!!)