獣道

□猫魂っ! cat.7 〜終業式〜
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指輪。

銀色で小さな赤い石が付いたそれは、いつの頃からか既に手元にあった。






いつ



どこで



誰がくれたのか




そもそももらったのか買ったのか




それすら分からなくて







でも、

自分にとってそれは、



とてもとても



大切な物で。








だけど

何で今まで


忘れてたんだろうか。








あいつがくれた

あの指輪を―…
















「…ほえ?」


そこでカガリは目を開けた。

チュンチュンとさえずる小鳥の鳴き声が窓から漏れている。


夢…というよりも、思考の渦ら覚めたカガリはその態勢のままに再び目を閉じた。

二度寝する為ではない。

ちなみに、今日は火曜日で学校があり、二度寝なんてリスクが高すぎるマネなどするわけがない。

ならば何故。


「そっか。もらったんだっけ。」


それは記憶を整理するため。


(…誰にもらったんだっけ。)


しかしやはり、思い出したのは誰かから“もらった”という事だけで、その他の細かい情景などは全く思い出せないままだった。


「まぁいいか。いつかふと思い出すさ。」


誰に言うまでもなく、そう独り言を漏らして、カガリは「キラの目覚まし無しで起きたのなんて初めてだな」と寝返りをうつと。




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