テニプリBL
□想いよ届け
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「…白石?寝とるん?」
俺が部室に入ると白石が寝ていた。
「珍しな、白石が寝とるなんて。」
部長の白石はいつも休む暇なく動いている。
「…ん…謙也…。」
驚いて白石の顔を覗き込むと案の定熟睡していた。
「何や、寝言か。」
「謙也…。」
「…何や?」
グイッ
「うおっ!」
いきなり白石に腕を引っ張られて体制を崩した。
「しらい…んっ…?」
白石の顔がドアップになると同時に唇に生暖かいものが触れる。
「…っ何すんねん!」
ドンッ
無我夢中で白石を突き飛ばすと一心不乱に部室を出る。
「…謙也?」
後ろで寝起きらしい白石の声が微かに聞こえた気がした。
白石が俺に…キスした?
寝惚けとったんかな?
それとも誰かと間違えたんかな?
何やこれ、何でこんなに苦しいん?
もうわけわからへん!
頭が混乱してわけがわからなくて、俺は必死で走った。