テニプリBL
□あの日の約束
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「お前俺んこと絶対からかって面白がっとるやろ。」
「…そうですけど何か?」
「いやいやいや、先輩からかうなや。」
「嫌って言ったら?」
「…お前なあ…。」
謙也さん呆れとるみたいやけど、俺もあの告白覚えてへん謙也さんのこと充分呆れてんで。
「ま、ええわ。朝練行こ。」
「誰が行く言いました?」
「え?行かんのか?」
「めんどくさいし。」
「…レギュラー落ちんで?」
「別にどうでもええし。」
「俺とダブルスで全国行く言うたのお前やんか!」
何でそんなどうでもいい記憶は残っとんねん。
「先輩やてあの約束忘れとるやないですか。」
「…あの約束?」
「…も、ええですわ。」
謙也さんに期待したわけじゃなかった。
でも少しも覚えとらんのは腹立つわ。
俺はテニスバックを背負うとドアを出た。
謙也さんも思った通り追いかけてくる。
「ちょっ…財前どこ行くん?」
「朝練スわ。行くんやろ?」
「あ、おん。」
俺がそう言った瞬間に顔がほころんだ。
本間ひよこみたいなやっちゃなあ。