テニプリBL
□あの日の約束
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「光、おっきくなったら結婚しような!」
「…しゃあないな。してやらんこともないわ。」
「おん!約束やで?忘れんといてや!」
小さい頃の夢を見た。
本間に小さい時、謙也さんと一度だけ遊んだことがあった。
きっと謙也さんはもう覚えてへんのやろな。
その時に子供ながらの小さい約束をした。
きっと謙也さんは覚えてへんけど。
「…眠…。」
ゆっくり起き上がると制服に着替え始めた。
「こーら、今日は朝練やろ!」
「は?」
いきなりスピード狂の声がして、ドアの隙間から黄色に近い薄茶色の髪が見えた。
「何で居るんスか。」
「ん?せやかてお前絶対朝練サボるやろ?やからお迎えや!」
自信満々に胸を張っとるけどこれって―
「不法侵入罪で訴えますわ。」
「え?ちょっ…おばちゃんに許可は取っとんで?」
「チッ、あのクソババア。」
「こーら、実の母親にそんなこと言うたらアカンやろ。」
「せやったら実の母親やなかったらええんですか?」
「え?そうなんか?」
「嘘ですわ。」
「……。」
やっと黙ったひよこ先輩はむくれ始めた。