長編U 〜涙の先に見えるもの〜

□涙が4粒
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跡「取り合えず柊はもう帰れ。」


柊「はい…。」


跡「忍足送ってやれ。」


忍「おん…。実、正直自分には幻滅したわ。」


『大丈夫だ。お前の変態伊達丸眼鏡さにはとっくに幻滅してる。』


侑士は最後に俺を一睨みすると出ていった。


宍「跡部、悪ぃけど俺等も帰るわ。」


『あ、宍戸いたのか?あっ、陰薄すぎだろとか思ってないから。』


鳳「そんな減らず口聞いていられるのも今のうちですから。」


すごい音をたてて扉が閉まる。


『だから近所迷惑だよ、明智くん。』


その後も皆帰って、俺と跡部と樺地だけになった。


『あれ?二人は帰らねえの?』


跡「この状況でよくそんな態度とれるな。アーン?」


『まあまあまあ。いいじゃないか明智二重面相君。』


跡「意味わかんねぇよ。で、どうすんだ?」


『ん〜ほっとけばいいんじゃね?』


跡部が固まる。


跡「…はい?」


『だーかーらーほっとけって。』


跡「いやいやいや、お前誤解とかなくていいのか?」


『別に?』


跡「…これから大変だぞ?多分学校中に広まるだろうからな。」


樺「ウス…。」


『ま、その時はその時で。』


俺だって怖くないわけじゃない。


『じゃ、俺帰るな。二人が信じてくれて良かった。サンキュな!』


跡部の俺を止める声も聞こえたけどあえて無視した。


『いいわけねーじゃんよ…。』


俺の行くあてのない独り言は青空に吸い込まれていった。
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