long-美食會
□受難の予感
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どぉーん…
そんなふざけた効果音が似合う位、目の前のお城は大きかった。なんだか天国まで続いているような気がする。まあ少し前から曇ってきたから、どちらかと云うと地獄っぽいけどね…
迎えの生物(?)から降りた私とお養父さんは、あまりの静けさに困惑気味。てっきり誰かが来てくれるとばっかり思っていたのに…
「…ノックしてみる」
「ああ、頼む」
お養父さんじゃあ届かないから私がノックを…って高い!ノックする時に使う輪の位置が変に高い!ついでにドアノブも高い!私の顔の高さじゃないのコレ?!
…もういいや、普通に素手でノックしよう…
──コンコン。
*
──コンコン。
小さな音が聞こえた。今日から新しい使用人とエンジニアが来ると知らされていたから、きっと彼らのものだろう。使用人となるエンジニアの娘は奇妙な体質だと風の噂で聞いた。どれ程役に立つかは分からないが…
…それにしても、まだ誰も出迎えに行かないのか。人手が足りないわけでもないだろうに…
…もういい。私が行こう。
*