long-美食會

□優しすぎるのも如何なものか
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「だーれだっ!」
「──!」

 び…びっくりした…!
 何をなさるのですか!なんて、一使用人の私が強気に言える筈もなくて、

「トミーロッド…様…」

 …笑われても構わない。膝はガクブルです…

「チッ…正解」

 どうして正解なのに舌打ちなんですか…
 まあとにかく、なぜかやって来たトミーロッド様は私と一緒にモニターを見始めた。スタージュン様は今までの短いやり取りの間にノッキングは終えたようで、砂浜へと上がる…海中から戻らないのかなと思ったけど、海には色々と生物がいるものね。戦っている間に毒化したら大変。洞窟にも怖い生物はいるらしいけど…

「あ、ホラ。四天王がいる」
「四天王が…?!」

 確かに…いる。今まで噂を聞いただけで姿は初めて見るけど、間違いなくトリコとココ…向こうはこちらを威嚇しているけど、スタージュン様は構う気がないみたいで洞窟の出口へと進んでいく…はあ。

「あれ、どうしたんだい紅蓮。疲れたなら椅子に座りなよ。それともお尻で床磨きでもする気?」
「…あ、はい……っ?!…いいえ!」

 …恥ずかしいことに、私は四天王の迫力に圧倒されてへたりこんでしまった…勿論トミーロッド様は私をからかっている。というかむしろ、なぜトミーロッド様とスタージュン様は平気なんだろう…

「そうだ!イイコト教えてあげるよ」

 期待はしません。

「四天王の持つグルメ細胞はね、お前の失敗を活かして研究されたものなんだよ」
「…はい?」

 …一応誤解のないように言うけど、別に私が何か失敗したわけではありません。IGOが勝手に私をマウスにして、勝手に失敗しただけ。その失敗を利用して、今の四天王にグルメ細胞が備わっているだけ…

「そう思うとさ、憎くない?」
「別に…憎くなんてないですよ」
「ふーん…」

 …ちょっと悔しいけどね!あ、本音が…

「つまんね」

 あなたって人は…

『グルメポリスだ』

 ちょっと待って下さい頭が追い付きません…
 なんとか目と頭をモニターに向けると、グルメ警察の人がスタージュン様を逮捕しようとしていた。
 あれ、そういえばトミーロッド様、変に静か。まさか…

「スタージュンお疲れー!」

 どんっ!
『っ…!』
 ぶわあっ。
 ぱくっ、ごくん。
 ばたっ…。

 …何が起こったのか見当も付かないであろう皆様のために、そして何よりいまいち状況を把握しきれていない私のために、今の出来事を分かりやすくまとめてみました。どうぞ。

 どんっ!…案の定トミーロッド様はモニターに飽きて、しかもグルメ警察なんて眼中にすらなくて、装置を付けたままのスタージュン様にスキンシップと見せかけたタックルをかましました。

『っ…!』…まさか生身の身体に誰かが何かを仕掛けてくるだなんて思ってもみなかったようで、トミーロッド様の外見に似合わない激しいタックルに思わず持っていた網を手から放してしまったスタージュン様。

 ぶわあっ。…なんと言うことでしょう。網の中でフグ鯨が全て毒化してしまいました。しかもフグ鯨達は放り出された勢いに、網は重力に従って動いたため恐ろしい程の紫色達は空中へ放り出された後、網同様重力に従い自由落下。

 ぱくっ、ごくん。…それが喋る途中のグルメ警察の口の中へダイブ。ついでに近くに居た人相の悪い人達数人のお口へもダイブ。ここまでは別に言うことはありません。
 なぜ飲んだ。なぜ飲んだ。なぜ飲めた。咀嚼もせずに。あんたらペンギンか。

 ばたっ…。…グルメ警察ならびに人相の悪い人達、ご臨終。慎んでご冥福を…

「これは、酷い…」


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