long-BestWishes!
□Come Along With Me!
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「うわぁっ?!」
デントは咄嗟に更にクレオに抱き付く。ロズレイドは更にむくれる。
「落ち着いてロズレイド、デントは私を守ろうとして…」
「ロズレイ!」
そんなこと関係ない!と言わんばかりなロズレイド。しかし次の瞬間した声に動きを止めた。
「コッジョンドォォォォッ!」
無視するなよおぉぉぉっ!サトシにはそう聞こえた。そりゃあ怒るよなぁとピカチュウと苦笑しあっていると、ご立腹な白銀がまた素早く動いた。ロズレイドに向けて淡く光を放つ拳を固める。
「気をつけてクレオ!ロズレイド!【ドレインパンチ】よ!」
さっとキバゴを抱き抱えたアイリスが言った。クレオはまたきつくなったデントの腕からするりと抜け出し、軽く振り向いたロズレイドを視線を合わせ…ニッと笑う。
「ロズレイド、【マジカルリーフ】準備」
「ロズレ〜イ♪」
怪しく光る葉がロズレイドの周囲を周り、どことなく幻想的な雰囲気を漂わせる。コジョンドは僅かに怯んだようだが、勢いをそのままに【ドレインパンチ】を繰り出してきた。
「さあっ、【マジカルリーフ】!」
「ロズレー!」
鋭い刃物というより軟らかなカーテンという感じの【マジカルリーフ】はコジョンド目掛け雪崩れ込んできた。コジョンドは【ドレインパンチ】を繰り出すも、結局は葉を美しく壊しただけだ。
「コジョッ…」
苦々しい表情でコジョンドはひらりと飛び上がり、長い体毛を鞭のようにして尚追い掛けてくる【マジカルリーフ】を砕いていく。
光がコジョンドの白銀の毛に映え、アイリスの腕の中にいたキバゴは大きな瞳を輝かせた。
「うーん、今のは私のマイナス点だなぁ…」
コンテストを思い浮かべ苦笑するクレオ。だが次には表情を変え、ロズレイドに技を指示した。
「フィニッシュ、【ソーラービーム】!」
自信ありげなクレオとは反対に、サトシは思わず疑問を口にする。
「【ソーラービーム】は発射までに時間がかかるんじゃ…?!」
「だけど…」
「?」
アイリスが振り向くと、どことなくショックを受けた様子のデントが立っていた。コドモねぇと内心呟く。
「【ソーラービーム】は日射しが強ければ強いほど早く発射が出来るんだ。今日は快晴だから…」
「ロズレェェェェ!」
「…ほらね」
目がくらみ動きが寸の間止まったコジョンドに【ソーラービーム】は直撃。短い悲鳴と共にコジョンドの体は浮く。
「いけっ、モンスターボール!」
赤い奇跡は真っ直ぐコジョンドへ伸び、ボールは派手に揺れる。
「クレオ、ゲットするのかい?」
デントの問に笑顔で答えた。
「うん。あの身のこなしに一目惚れしちゃった」
一目惚れという単語にデントが勝手にドキリとしているうちに、やっとモンスターボールが静かになった。
「…やったー!」
クレオはすぐさまボールを拾って胸に抱く。
「よろしくね、コジョンド!」
ちょっと無理矢理だったけどね…アイリスは苦笑いした。