long-BestWishes!

□Come Along With Me!
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「コジョ!」

 コジョンドは長い尻尾をぱたぱたと振りつつも、ビシリと背筋を伸ばした。

「これは驚きだよ、コジョンドの手懐けるトレーナーがいるなんて…」

 アーティのキラキラとした瞳に耐えかねたクレオは、気まずそうに返した。

「いいえ、私がこのコジョンドの身のこなしに一目惚れをして…少し強引にゲットしたんです」
「へえぇ…」

 アーティが驚いたようにクレオを見た。

「クレオのロズレイドとコジョンドのバトル、凄かったんですよ。アーティさんにも見せたかったなぁ!」

 先程のバトルを思い出したサトシが、ああでこうで…と身振り手振りをつけて一生懸命に説明をする。時折アイリスが違うでしょと訂正するのも可愛らしい。

「ロズレイドで?」

 アーティは興味深げに聞き返した。虫タイプと草タイプは縁が深いから気になるのだ。

「はい。…おいで、ロズレイド」
「ロズレ〜イ」

 アーティへ優雅に一礼するロズレイド。コジョンドへもヒラリと手を振る。

「へえぇ…よく育てられてるねぇ…」

 アーティはどこからかスケッチブックを取り出しロズレイドを描き始める…も、30秒程でやめてしまった。

「ぬぅん、駄目だ描けない…ごめんねロズレイド」
「ロズ…」

 アーティがスランプ中だという事情を知らないロズレイドは心配そうにした。コジョンドがフォローを入れ納得した様子にはなったけど。

「あれ、そう言えば急に静かに…」
「あっ、それもそうだね」

 クレオとアーティが辺りを見回した時には、サトシ、アイリス、デント、ピカチュウ、キバゴ、なぜかヤナップが、クルミルの糸に縛り付けられていた。

「ぬぅん…」
「うわあ…」

 言葉を探すアーティとクレオ、糸を慌てて切るハハコモリとロズレイドとコジョンドを、クルミルは楽しそうに眺めていた。



「ところで…キミらはどうしてヒウンシティに?ロイヤルイッシュ号にでも乗るのかい?」

 一段落つき、4人の目的地がヒウンシティだと知ったアーティが木の根元に座りつつ訊ねた。倒木に腰掛けた4人はロイヤルイッシュ号って何だろうと思いつつも首を振る。

「いいえ。俺、ジ…」
「じゃあポケモンコンテストかな?」

 ジム戦の為、という言葉はのほほんとした声に遮られる。

「ジム…」
「コンテストが開かれるんですか?!」

 今度はクレオに。

「うん、ヒウンシティでは結構話題になってるよ。クレオくんはコーディネーターだし、よかったら出てみないかい?」
「はい、是非!」

 クレオの笑顔に、アーティもつられて頬を緩める。
 …デントは、なぜだか曇ってしまった自らの表情に気付き、不思議そうに襟元をいじる。
 サトシはというと、なぜかクルミルと無言でアイコンタクト中。

「……クリュ」
「あっ…逸らすなよクルミルー!」

 なかなか上手くいかないようだ。

「野生のポケモンは、滅多に人間と目を合わせようとしないのよ?そんなことも知らないなんて、コドモなんだから…」

 アイリスは腕に抱いたキバゴに、ねえ?と話し掛ける。
 キバゴは大きな目でアイリスを見詰め返し、キバ、と頷いた。
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