long-BestWishes!

□Come Along With Me!
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 ヤグルマの森の入り口に立ったサトシ達一行は、もといクレオは、仲間に悟られないよう気を付けつつも酷く困惑していた。

──さっきから視線を感じるなぁ…ポケモンみたいだけど、一体何の用なんだろう。

 視線にもクレオの困惑にも気付かないサトシが地図を持つデントに訊く。

「なあデント、この森凄ぇ大きいけど…無事に抜けられるのか?」
「うん、大丈夫だよ。ヤグルマの森は1本道だからね。
 ただ道から外れたら自然の迷路になっちゃうけど…目的地はヒウンシティだから」
「そっか、じゃあこの道を真っ直ぐ進めばいいんだな」
「そういうこと」

 会話はあるも4人の足は止まらない。ついでに注がれる視線も止まらない。

──つけられてる…

「あれ、クレオどうしたの?難しそうな顔して」
「キババババ?」
「えっ?あ、うん…」

 異変を察知したアイリスの声に、サトシとデントが歩みを止めた。
 やむを得ずクレオは口を開く。

「森に入ってからつけられてる気がして…気のせいかもしれないけど…」
「ポケモンに?」

 サトシの問いに頷く。

「まだ見られてる気が…」
「コジョーッ!!」
「わっ?!」

 突然クレオ目掛けて飛び出してきた白銀のポケモンに一同は驚く。

「あのポケモンは…?!」
「コジョンドだよ」
「コジョンド…」

 初めて見るポケモンだ。クレオは図鑑で調べる。

『コジョンド:武術ポケモン。
 腕の体毛を鞭の様に扱う。両腕の攻撃は目にも止まらぬ速さ』

「成る程…
 ねえ、私に何か用でもあるのかな?」

 後半はコジョンドへの問い掛けである。コジョンドは表情をキリリとし、クレオをビシッと指差し一声。

「コジョ!」
「ピーカッ?!」
「キバキバ?!」

 人間には何のことかサッパリだが、ピカチュウとキバゴには衝撃を与えたようだ。嘘?!という感じでクレオとコジョンドを交互に見る。

「コジョ、コジョ、コジョンドーッ!」
「クレオ危ない!」
「えっ、何?!」

 突然コジョンドが【スピードスター】を繰り出し、咄嗟にデントがクレオを後ろから抱くようにして庇った。だが数秒早く赤い光が走り、

「ローズレ────!」

 高い鳴き声と共に聞こえる爆発音。衝撃を覚悟していたデントと何が起こったか把握しきれていないクレオは恐る恐る振り向いた。相変わらずクレオはデントの腕の中だが。
 2人、否旅の仲間が見たのは悔しそうに唸るコジョンドと、それを澄ました顔で見る薔薇のようなポケモン。辺りにはスピードスターの破片と不思議に輝く葉が散っていた。

「ありがとうロズレイド、助かったよ」

 そう言うクレオにロズレイドは手を口元に当ててウィンクをし戦闘モードのコジョンドに背を向けて…クレオを背後から抱いたまま麗しい草タイプのポケモンに見入るデントへと、躊躇うことなく【マジカルリーフ】を放った。
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