long-BestWishes!
□You Can Call A Storm!
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フレンドリィショップの屋外にあるバトルフィールド。クレオ、サトシ、そしてカベルネはそこにいた。サトシはフィールドの外でおろおろとしているけれど。
「使用ポケモンは3体──」
カベルネは語気を強めて言う。
「アンタのポケモンが全て戦闘不能になったら、2人のポケモン総入れ換えよ!」
「うん」
クレオは静かに頷いた。
「サトシ、審判してくれる?」
「えっ、俺が?…分かったよ」
全員が位置についた。
サトシは久し振りの審判の役割に少し戸惑うが、すぐに勝手を思い出す。
「えーっと…これより、クレオ対カベルネのポケモンバトルを行う!
使用ポケモンは3体、どちらかのポケモン全てが戦闘不能となったら終了とする!
それじゃあ…バトル始め!」
2人はモンスターボールを投げた。カベルネのポケモンはヨーテリー、クレオはコジョンドだ。いつも以上にキリリとした表情をしている。
「またヨーテリーか…」とうなだれたサトシの呟きは幸いにも2人には届かず、ピカチュウが苦笑するだけだった。
──ソムリエールさんには悪いけど、効果抜群の技で攻めさせてもらうよ。手持ちの総入れ替えなんて、他人にとやかく言われることじゃないもの。それに…
コジョンドがクレオに振り向き、頷いた。強気な瞳に安堵して、クレオも力強く頷き返す。
──見返してやりたいよね…!
先攻のカベルネがヨーテリーに指示を出した。
「ヨーテリー、【鳴き声】!」
「キャァーンッ!」
ヨーテリーの甲高く大きく断続的な鳴き声に、コジョンドだけでなくクレオやサトシも耳を押さえた。負けないようにクレオの声も大きくなる。
「堪えて、コジョンド…【スピードスター】!」
「コ、コジョ!」
なんとかコジョンドは高くジャンプして、上空から【スピードスター】を放つ。ところが【電光石火】で避けられてしまい、星は地面に激突して砕けた。
コジョンドが着地した瞬間を狙い、カベルネはヨーテリーに言う。
「畳み込むのよ、【電光石火】!」
「キャンッ!」
「コジョッ?!」
コジョンドはヨーテリーの素早い動きに翻弄され、ついに攻撃が命中してしまった。ヨーテリーは繰り返し【電光石火】をくりだす。クレオを信じているのか、コジョンドはただ堪え続けた。
──ごめんねコジョンド…もう少し待ってて。
クレオはコジョンドに申し訳なく思うも、彼女の視線の先にはカベルネがいた。
*