短編集

□I love you 〜ツナver〜
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「行って来ます」

いつもと変わらない1日。

今日もいつも通り過ぎてい―――――はずだった。

放課後まで変わらない1日を過ごした。

そしていつもと違うのは、いる場所。ここは、学校の屋上。

何故か、朝起きるとリボーンから言われたのだ。

理由を聞こうとした時には既にリボーンは居なかった。

「リボーンめ、何企んでんだ?!俺に話があるなら家ですればいいのに…」

カキーン…

野球のボールが当たる音がする。

野球と言ったらやはり山本だ。

山本の顔を思い出して無性に会いたくなった。


「山本いないかな。」

山本を屋上から探していると、

「ツナ君」

もしやと思い振り返ると、そこには京子ちやんがいつものように軽く前かがみになってこちらの様子を伺っている。

「京子ちゃん!?どうしてここに?!」

そう言うと、京子ちゃんは指を頬に当ててその時のことを思い出すようにんーと唸った。

「リボーンちゃんが、ツナが話があるって言ってたから放課後屋上に来てくれって言われたの」

話?!なんの話?!京子ちゃんに話すことなんてないよ!

リボーンの考えが全く読めない。

リボーンの勘違いだと言おうとすると京子ちゃんは

「話って何?」
そうあの可愛い笑顔を浮かべながら言った。

もしかして京子ちゃんに告白しろって言いたいのか?!

段々と何となくリボーンの言いたい事が解り、どんどんテンパってくる。

この状況で?!無理無理無理!絶対振られる!

「え…っと、…あの……話っていうのは……………」

「?」

 今告白しないともうチャンスはなくなる―――

こうリボーンが言っているようにも感じた―――

今思えば、リボーンがいたからこうして京子ちゃんと話せるようになった。

何度も危険な目に遭わせてしまった。

俺が悩んでいるときもあの笑顔にとても助けられた。

仲良くなっていけばいくほど好きになった―――

もうチャンスはない―――

「…京子ちゃん」

「?」

「俺、京子ちゃんのことが好きです。つきあってください」











長い沈黙。


ダメだった――――帰ろう――

「じゃ――――」

「私もツナ君のことが好き。」

「え…――?」


自分の耳を疑わずにはいられなかった。

でも京子ちゃんの顔を見ると、確信に変わった。


顔が真っ赤だった

「好き。ツナ君のことが」
真っ赤になりながらも呟くように言って俯いた京子ちゃんが

凄く可愛らしく思えた。

嬉しすぎて涙が出そうになったけど、

ここで泣くと恥ずかしいから涙を必死にとめた。

「ありがとう!一緒に帰ろ?」

ちょっと調子乗ったかなと後悔した。
「うん!」
迷っていた感じではなかった。


京子ちゃんと帰った空は、とても澄んでいて


きれいなオレンジ色だった――――
 
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