短編集
□相合傘
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「うっわ、結構降ってるね
あちゃー、これじゃ走って帰れないか…どうする?京子」
そう言うと花は私の顔を見た。
「うーん…傘買う?でもここ売ってないんだっけ?」
今日は、花と2人でテスト対策のため、学校の帰り本屋に寄っていた。
「うん、ここ本しか売ってないから…それに、今お金持ってない…」
「え!買いに来たんじゃないの?」
「うちは、下見で来てたんだけど…さ」
「ん?花じゃん、久しぶり」
「ん!あっ!!ひ…久しぶり」
うわーっ、大人っぽーい誰だろう
「花。この人は?」
「あ、この人?私の彼氏」
「どうも、えっ…と京子…ちゃんだっけ?」
「あ…はい。えっ…と」
「あぁ!自己紹介がまだだったね、俺は友輝。よろしくな」
「あ、こちらこそ」
「ってか、傘ないの?」
「あ…実は…だから今雨宿り」
「じゃ、俺の傘使えよ、」
「いや、いいよ。濡れちゃうし…それにその傘だったら三人入らないし」
「あ!私買わないといけない本あった!」
「いきなりどうしたの?」
「お兄ちゃんの参考書買わなきゃ!だから先行ってて。今日買わないと怒られちゃう」
「うん…わかった、じゃあ行こう友輝。」
「あぁ、」