短編集
□相合傘
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はぁ。何買おう…。
お兄ちゃんに買ってあげるものなんてないし…
料理本でも買おうかな
「んで獄寺何買うんだ?」
あ、山本君の声だ。話かけて傘入れてもらおうかな
「お前、今日何売ってっか知らねーのか?
今日は3ヶ月に一回、一万部しかでない、
『伝説の動物』が出るんだぜ、
勿論10代目は知ってますよね」
「いや…知らない…」
「じゅ、10代目はいいんですよ!知らなくて!」
ツナ君もいたんだ…なんでだろ。話かけられなくなっちゃった…
「な…ここの本屋伝説の動物がねぇ!おい!どこやりやがった!?」
「ちょ…!獄寺君!!きっと売れ切れたんだよ!もう諦めよ?またほかの本屋で売ってるよ」
「…10代目がそういうのでしたら…」
獄寺君本当に面白いなぁ、あ、言わないと!
でも、誰に話しかければ…
「ツ…ツナ君たち何してるの?」
精一杯の言葉。もう何してるかわかっているけど…
「きょ…京子ちゃん!?」
「よっ!俺らは今獄寺の本探しにきたんだ、笹川はなにしてんだ?」
「私は本買ってたの」
「10代目、俺帰ります。他の店で探し回ります。」
「う…うん、店員さんとかに喧嘩ふっちゃダメだよ!?」
「はい。」
「悪いな、今獄寺はご機嫌ななめなんだ。」
「ううん、平気だよ」
「ツナ!俺ちょっと行くわ、獄寺心配だし、俺の探してた本もなかったしなぁ」
「あ、うん。」