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□狂った末(臨静+派生 死ネタ注意)【完】
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――――平和島静雄が死んだ。
この事実は、池袋の街を大きく動揺させた。
ある人は心の底から喜び、ある人は心のそこから悲しんだ。
さまざまな感情が飛び交う中、彼、折原臨也はどちらでもなかった。
いや、正確には後者なのだろうが、感情が表せないくらい大きなダメージを受けていたのだ。
静雄の葬式が行われた夜
臨也は一人、家の中を見渡す。
2つ並んだコーヒーカップ、散らばった沢山のバーテンダー服、冷蔵庫には大量のプリン。
部屋の至る場所に、"静雄"が残っていた。
先程までは人で溢れていたこの部屋。
静雄を慕っていた人たち、上司や友達、臨也の妹までもが駆けつけ、みんなが涙を流していた。
その中に臨也一人、無表情で立っていた。
そして今は周りの人がいなくなっただけで、やはり無表情で部屋に立っている。
死因は急な心臓発作。
仕事中に突然倒れたらしい。
同じ職場で働く二人は、急いで救急車を呼んだそうだが、池袋最強と呼ばれたその男は、いとも簡単に息をひきとった。
「今日の朝・・・行ってきますって言ったのに・・・」
ぽつりと呟くその言葉に力強さはなく、いまだに現実を受け入れられないようだ。
ふらふらと歩き、静雄の部屋へと足を運ぶと、机の上には一枚の封筒。
「何・・・これ・・・」
開けてみると、それは臨也宛ての手紙だった。