『裏・短編集』

□ウサギとニンジン
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会長選挙中。ハンター協会が用意したホテルに滞在中の事だ。

レオリオの部屋にウサギが遊びに来た。

コンコンとノックされ扉を開ければ目の前にはピョコピョコ動く長い耳。更にその下に視線を移すと見覚えのある童顔女。

「えーと。ピヨンちゃん?(だっけ?)」
「あんたより年上だし〜〜〜。ちゃんってゆうな〜〜〜。」
語尾を無駄に伸ばす独特の話し方で文句を言いながらスタスタと部屋に入り込むピヨン。

「俺になんか用か?」
「退屈だから〜〜〜。遊びに来ただけ〜〜〜。」
「………俺、疲れてるし…もう寝たいんですケド…。」
時計の針は既に夜中の12時を廻ってる。
「いいものあげるから〜〜〜。両手出してみて〜〜〜。」
話は噛み合わないが取り敢えず両手を出すレオリオ。カシャンと両手首に手錠を駆けられた。
「テメッ、何すんだっ!?」
「あんたバカじゃないの〜〜〜?」

手錠は念能力者用で、強制的に絶の状態にさせる物だった。



小柄で童顔。されど十二支ん。絶状態のレオリオが敵う相手ではなかった。

「おいっ!いつまでそうしてるつもりだっ!?」
「飽きるまでとか〜〜〜?」

ピヨンは四つん這いのレオリオを椅子がわりに腰掛け持参したバスケットから野菜スティック(ニンジン)を取り出しカリカリとかじりながらケータイを弄って遊んでいた。

「俺になんの恨みがあんだよっ!?」
「だって〜〜〜。ジンがムカつくんだもん〜〜〜。ストレス発散〜〜〜。」
「俺もアイツにはムカついてるぞ?気が合うな。だからソコをどけっ!」
「でもジンはあんたの事気に入ってるみたいだし〜〜〜。」

ジンのお気に入りを苛めてストレス発散する。要するにジンに対する遠回しな嫌がらせでもある。

「ふざけんなーっ!だったら直接ジンのトコに行けっ!この若作りのウサギババァーっ!!」
「ぁんだとぉーっ!このクソガキッ!ゴルァーーー!!!」

ウサギがキレました。
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