『ヒソカとレオリオ』
□ヒソカとレオリオ
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図書館で夕方まで勉強した後ばったり会った友人達と食事し軽く飲んでの帰り道。レオリオが近道しようと繁華街の路地裏を通り抜けようとした時の事だ。
薄暗い路地に人が二人倒れていた。
酔っぱらいか?と手前の一人を覗きこむと首に深くトランプが刺さり既に息絶えている。奥のもう一人には見覚えがあった。
ハンター試験で一緒だったヒソカだ。
「ひ、ヒソカ?」
恐る恐る近付こうとすると威嚇するように足元に飛んできたトランプがアスファルトの地面に突き刺さった。
「危ねーなっ!いきなり何すんだっ!」
まるで手負いの獣のように殺気を放っている。
「…なんだ、キミか♣」
ヒソカは眼球だけを動かしレオリオをチラリと見やる。どうやら動けないらしい。
レオリオは死体の脇に転がる小瓶に気付きそれを拾い上げた。成分表を見る限りだと筋弛緩系の毒だ。しかも巨獣用。普通の人間なら即死するレベルだ。
おそらくヒソカはこの毒にやられたんだろう。が、ヒソカは話も出来るし、かろうじて指先も動くようだ。
お前はバケモノか、とレオリオは心の中でツッコミを入れた。
「はあ、今夜はやたらマフィアだかなんだか知らねーが明らかにカタギじゃねーのが街にうようよしてやがると思ったら…もしかして狙われてんのはテメーか?」
「うん♦」
「どうせマフィアの頭でも殺ったんだろ?自業自得だ。ま、せいぜい見つからないよう祈ってろ。じゃあな。」
こんな男、どうなろうと知った事じゃない。ハンター試験で出会ったこの男はまさに快楽殺人鬼そのものだった。消えてくれたほうが世の中のためだろう?そう思いながらレオリオは一人その場を後にした。