『ヒソカとレオリオ』

□ヒソカとレオリオ
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レオリオに助けられて以来、ボクはたまに彼とお酒を呑むようになった。
まぁ…ボクが勝手にお酒を持って押し掛けてるだけなんだけど。

そんなに話すわけじゃないけど彼もボクもお酒は結構好きで話す事と言えばたいてい酒の話。たまにゴン達の話題が出るくらいだ。

彼は安酒を友人達とワイワイ呑むのも好きだけどいいお酒を静かにゆっくり呑むのも好きらしい。



「今夜はちょっと珍しい和酒を持って来たよ♪」
「和酒?…コレ漢字か?なんて書いてあるんだ?」
ラベルには『密』の一文字。
「ふふっ♪『ヒソカ』って読むんだって♪」
「げ!不味そっ!」
「むぅ♢ じゃ、呑まなくていいよ♠」
「呑む。」

その日のお酒に合うおつまみをテーブルに並べレオリオは絨毯に胡座をかいて座りボクはソファ。これが定位置。

「クセがあるし結構キツい酒だな。確かにヒソカって感じ…。」
「アリガト♪」
「誉めてねーし。」
「…♠ 」
「そういや前にハンゾーがジャポンの洋酒送ってくれたけど結構旨かった。」
「ジャポンの洋酒?」
「ああ。その地方の気候じゃないと作れない葡萄酒なんだとよ。さっぱりしてるけど香りがすげー良かった。」
「へ〜。呑んでみたいな♪なんて名前?」
「…忘れた。」
「…☆ それよりキミ…ピッチ早くないかい?顔、赤いよ。」
「あ〜。この酒旨いからつい…。」
彼は酒に強くて今までも酔ったとこは見たことない。でも今夜は頬が赤く染まっていて目もとろんと蕩けてる。

「レオリオ」
「ん〜?………ん。」

酒で濡れた唇に口づけて…そのまま押し倒した。

…可愛いキミが悪い。




彼は酔っていたのかたいして抵抗する事はなかった。

翌朝、散らかしたままだったテーブルをボクが片付けてると彼はばつが悪いのか気まずいのか、少し困ったような情けない顔をして起きてきた。

別にそんな顔をさせたかった訳じゃない。いつもみたいに怒ればいいのに…。


「片付けも終わったしボク帰るよ♪それじゃ、またね♪」

なにも無かったかのように、ボクはいつもどおりに彼の部屋を後にした。

なんとなく…まだこの場所を失いたくなかったから。










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