『流れ星』

□流れ星F話
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―6月6日―22:00



『誕生日教えろ。』
レオリオにそう言われて渋々教えた。

去年の誕生日はたまたまイルミの仕事を手伝ってた。

『今日、ボクの誕生日なんだよね〜。』
『ふぅん。で?』
『オメデトウくらい言ってよ∨』
『は?どこがめでたいの?変態殺人鬼がこの世に一人産み落とされたってだけでしょ?』
『…いいね。キミのそういうトコ好きだよ。イルミ。くくっ。』
イルミの言う通り。ボクもそう思うよ。


はぁ。とため息を溢しながら公園のベンチに座って向かい側にあるまだ真新しいマンションを見上げる。

レオリオは大学から二駅のマンションに引っ越した。間取りは前に住んでたアパートと差ほど変わらない1LDK。
でも全体的には広くなったし、収納スペースも多い。クローゼットに至っては前の倍。理由の1つは『テメーの服がかさばるからだっ!』だって☆ふふっ。ホント可愛いんだから♪



「テメーはそんなトコで何してんだーっ!?」
「へ?」
聞き慣れた怒鳴り声に顔を向けると公園入口の街灯の下でレオリオが目くじら立ててボクを指刺してた。
「こんな夜中の公園でボーッとしやがって!変質者かテメーはっ!」
まぁ、当たらずとも遠からずって感じもしないじゃないケド☆


「あんなトコで何してたんだよ?」
ボクの腕を掴んでズカズカと歩くレオリオは不機嫌そうに言った。
「え〜と。別に何も◇」
「…アホ。」

部屋に入るとテーブルにはケーキとオムライス。
少し不格好なオムライスにはケチャップでhappy birthdayって書いてあった。普段は料理なんてほとんどしないキミの手料理。

…もしかして待っててくれたのかな?

「ふふ。美味しそうだね♪」
スプンに手を伸ばして食べようとしたら食うなってお皿ごと取り上げられちゃった◇
「なんで〜?」
「か、乾燥してパサパサになっちまったし…作り直す…。」

ああ。本当に…キミは可愛いね。

「それが食べたい∨」
レオリオが流しに捨てようとしてたオムライスを取り返して一口頬張った。少しパサパサだったけど凄く美味しかったよ。
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